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政府

公正取引委員会、官公庁の情報システム調達時のベンダーロックインを問題視、オープンシステム化を推奨 92

ストーリー by nagazou
ベンダーロックイン 部門より
公正取引委員会は8日、行政機関が使う情報システムの調達時の課題をまとめた報告書を発表した。それによると、公正取引委員会は競争政策の観点から、これから行われる情報システム調達ではベンダーロックインが回避されることが望ましいとしている。ベンダーロックインは特定業者しか対応できないような仕様で作られたハードウェアやソフトウェアのことを指す(公正取引委員会朝日新聞)。

報告書では、市場において簡単に取得できるオープンな標準的技術を用い、多様なベンダーの参入を可能とする仕様を設計することや情報システムに関するソースコードを公開することにより、特定のベンダーに偏らない情報システムの調達が官公庁の情報システム調達において必要であるとしている。
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  • by Technobose (6861) on 2022年02月11日 11時51分 (#4198529) 日記

     リンク先の報告書を流し読みした感想。
     書いてあることは、概ねそのとおりだけど、政府や自治体に現実化できるのか・現実化する意思があるのかという最も重要な点がすっぽり抜け落ちてると思う。

     スラドを読む人には理解できないだろうけど、一般組織では情報システムの優先度は本当に低い。
     日経クロステックの木村編集委員の連載 [nikkei.com]でよく「ダメな情シス」が描写されてるけど、ああいう感じのところが多くて、現状では発注者責任を全うできる組織は少ないと思う。

     地元の役所と取引があるとわかると思うけど、役所では業務が細かく担当者に割り振られていて、ほかの担当者では業務自体をわからなかったりする。
     こういう状況で発注者責任を自覚して発注仕様書をとりまとめるなら、各業務の担当者にも導入作業に巻き込むことが必要なんだけど、そういう発想する人はほとんどいない。
     大体、課で一人か二人担当者を決めると、その人に任せるという、丸投げ状態ですな。
     各システム間で共有する基本的な台帳の連携すら抜け落ちていたり、金がかかるからと要って落としたりすることが起きる。例えば病院システムなら、医事会計システムから患者の基本情報を管理して、電子カルテや調剤支援、検体検査といった各システムで共有すると思うけど、これができていないことがある(というか、ほかのやつのやつたことの後始末している)。
     業務担当課は数年に一回しかシステム導入・更新事業を担当しないんだから、基本的なことすら知らない人が大半。
     全体を管理する情報システム担当課でこういう基本的なことを計画当初に周知して、人事異動が起こるたびに担当者に教え込む必要があるんだけどしてない。

     理想を高く掲げるのなら、まず情報システムに詳しい職員を養成する必要があると思う。
     それも組織独自のカリキュラムや基準ではなくて、ITSSを元に全国一律でベンダーもユーザーも共通理解できるものをベースにしないと、まず話ができない。
     それと小さなシステムの製作を経験させて、システム化の方法論を学ばせる必要がある。
     そして、ある程度、スキルのある人を人数をそろえないと話にならない。

    /*
     ベンダーから中途採用って、本来公的機関が求めている人材とは違う気がするんだよね。
     公的機関でプロジェクトを進める際必要なのは、具体的な製品知識よりも業務全体の理解とリスク管理、関係者を巻き込む力だと思うので、ユーザー側でシステム更新プロジェクトを何回も成功させている人材が必要だと思う。
     ベンダー側でいったら、本当にトップクラスのプロジェクトリーダーやアーキテクトだろうけど、そういう人が公的機関に来てくれるものか・・・。
    */

    •  書き忘れけど、BCPとかいうなら業務プロセス自体の管理にもコストをかける意識が必要だよね。
       普段は各担当者に丸投げで、プロセスがブラックボックスになってるのに、システム化の時だけ、要件が明確にできるなんてありえない。
       自分たちの業務の根拠と、どう行っているかがわからないと、まずシステム化できないし問題点も文書ができない。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 12時54分 (#4198555)

      役所はベンダーとの癒着を避けるという目的で3年くらいで担当者が配置換えになるので、詳しい職員の養成なんて無理では。
      無理というか、養成が済んだ頃には、どっか別の所に行ってしまう。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        属人化を避けるために文書化すると、時代に合わなくなっても金科玉条として融通が利かなりそうね

  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 9時03分 (#4198471)

    ベンダーが入札金額を下げ、自社に有利な設計にして保守で稼ぐ(ベンダーロックイン)という手は、
    「初期構築と保守は別業者が行う(相互連絡禁止)」ルールの導入で無効化されていますから、
    いまさらそんなことを検討しても意味無いです。

    むしろ今は入札不調が多発しまくっていて、お役所のほうから業者に頭を下げて
    「頼むから入札してくれないか」と言って何とか入札制度を維持している状況なので、
    ますます業者が離れていく結果にしかならないと思います。

    • by nim (10479) on 2022年02月11日 10時00分 (#4198489)

      価格もさることながら、金払いのいい民間企業からDX案件を受注できるベンダが、政府の契約書の条件で応札する理由ないですからね。

      利益率の高い2社、NRIは公共セクターの仕事ほとんどしてないし、NTTデータもクラウドサービス提供はともかく、政府のSIはあんまりやりたくないんでしょ。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 10時42分 (#4198502)

    入札の内容にもよるけど、提案書を書く段階で億のコストが掛かる場合もある。
    提案書を書く短い期間に億の人材を投入出来るベンダーは限られるので、結果としてベンダーロックになっていると思うよ。
     
    検討するにも時間が掛かる、つまりコストが掛かるので、受ける側も躊躇するでしょうよ。
    受ける側がより検討しなくても良いように、発注する側でより具体的に検討すれば良い。
     
    業務フローの件もそうだけど、出す側の問題が大きすぎる。
     
    そもそもIT化って、業務の効率化、つまり、人件費削減の為にするだんけど、システム導入によってどの程度人件費を削減するのかも決めずにIT化をすると言うのはどうかと思うけどね。

    • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 13時37分 (#4198571)

      > 出す側の問題が大きすぎる
      という話が、朝日の記事の有料部分で問題提起されてます(紙面で読んだ)。

      役所に限らず、発注側なのに発注する内容について十分理解していないことがほとんどで、受注側がいちいち補佐しなきゃならない「情報の非対称性」が根っこにあると思う。

      親コメント
      • by Anonymous Coward

        受注側が手取り足取りアシストするのが日本型システム開発では?

        • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 16時50分 (#4198639)

          発注側の仕事を入札業者・受注側が肩代わりする事は、もはや接待では?と思う。 
           
          ベンダー側は接待をしている認識だと思う。
          勿論、その分上乗せして請求するでしょうし、つまり、その接待には税金が使われる。
          接待を受ける側は、接待だと思っていないと思うけどね。

          親コメント
    • by Anonymous Coward

      民間では検討や提案書は有料って場合も増えてきてるように感じる。
      現場部門が直接発注するって客が増えてきて、うちは開発メインだけど検討と提案までの業務受けることが結構ある。

      昔はこういうのは、顧客内の情シスとかコンサルとかがやってたんだろうけど、顧客の現場に奴らは使えないってのが浸透してきた結果かもしれない。

  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 11時38分 (#4198522)

    いちおう競争入札の体裁をとってても、実態は現行ベンダが次期システムの仕様を作ってるのが多い
    入札も、現行ベンダと仲のいい会社に声かけて参加してもらって、ちゃんと競争入札やってる感を出す

    • 時期システムに入札する予定の現行ベンダが官公庁の出す要件定義書に監修?の立場で大きく口を出しその中で特定の製品にベンダーロックされてしまうような内容を盛り込んでしまうことを日常的に目にしておりました。
      (N某のハードでしか採用されてないストレージの冗長化方式決め打ちとか、特定のグループウェアの機能を丸写ししたようなグループウェアの要件とか)。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 8時39分 (#4198462)

    役所が丸投げで仕様を把握してる人材もいないから結果的にそうなっているだけ、という意見は少数派だったが。

    • API使えばベンダーの新規参入促進とかバラ色の未来を期待しているがなんか勘違いしているようだ。
      それに今まで丸投げで済んでいたものに対し発注側の責任側が相当増えるが、本当にそれが可能なのかという疑いの眼差を向けざるを得ない。
      責任分界点を定めないと曖昧になってベンダーロックイン辞めたのは何だったの?になってしまう。

      もっとも想像できる恐ろしいことはRFIやRFPをベンダーに書かせて入札に持っていって怪しいベンダーが落札して炎上すること。

      • by Anonymous Coward

        そもそもSQLサーバとかオラクルDBとかはAPIが公開されてますね。RHELならソースコードも公開されてますね。でもロックインされますね。

    • by Anonymous Coward

      なんで各自治体ごとに別仕様のシステムが出来上がるのさ。
      基幹システムは国のシステムで、地方自治体のはその末端だろう?
      全国統一基本システムというべきものを作って、全地方自治体統一で使わせればよい。
      条例で自治体ごとに異なる部分だけ外付けにすればよかろう。

      • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 15時12分 (#4198600)

        https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/jichitaishisutemu_hyojunka/... [soumu.go.jp]
        今やってる

        システム化した流れが逆なんだよ
        地方分権の名の下に地方行政がやらなきゃ行けない、業務があった。
        これをコンピュータシステム化以前から、システム化されて運用されていた。
        (システムは仕組みのことなのでコンピュータなしでもシステムであります)

        で、地方分権で地方の業務は地方の業務でしかないので地方毎に業務のコンピュータシステム化が起きたから地方別に違う物ができあがる

        なんで、戸籍システムとかも全国で統一されていない、標準仕様は法務省が出していて
        https://www.moj.go.jp/content/001357217.pdf [moj.go.jp]
        こんなことが出来なければ行けませんみたいなのがあるだけなのが今

        東日本大震災で全てをデジタル化しているんだけど、各地方行政単位とその近場の法務局だったかな?
        に正本と副本があるので災害で吹っ飛ぶ可能性があるってんで
        https://japan.zdnet.com/article/35046070/ [zdnet.com]
        こういうバックアップシステムの運用もされている
        で、次段階で
        https://www.moj.go.jp/content/001295590.pdf [moj.go.jp]
        こういうこともやっている
        今は副本の管轄を法務大臣(法務省)にするとかの改正も行われた

        元々日本は戦前戦中で省庁の中の省庁であった内務省が全国の地方行政も全て管轄していた。
        (知事すらも内務省が決めて派遣)
        だけど戦後は地方分権、地方には地方のやり方があるって言うんで内務省を解体して地方分権を進めたの
        だから地方毎にやらなきゃいけなくって地方毎に別な物ができあがる

        正直、1945年時点で現代におけるコンピュータシステムが生まれて中央集権化した方が良い部分が出てくるなんて予想は出来なかったので
        仕方がないと思うよ

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          正直なところ、人口増加が続くならともかく、縮小傾向のときに地方分権してもしょうがないと思うんだよね
          今のままだと、各地方自治体が身の丈に合わない「システム」を維持することになる
          道州制などにまとめてやるならともかく、もはや個別の地方自治体では維持できないでしょう
          効率化だけじゃなく書かれてるようにコンピュータシステムの更新すらままならないんだから

          でも道州制は導入されないでしょう
          だったらもっと中央集権的に内務省を復活させたほうがいいんじゃないかな
          そして各役所はすべて国の出先機関になり、標準化されたひとつの業務フローで統一されたコンピュータシステムを使う
          これでいいと思うんだけど、地方分権はそこまで聖域化されたドグマなのか?

          • by Anonymous Coward

            憲法改正必要だからなぁ・・・

      • by Anonymous Coward

        条例で自治体ごとに異なる部分だけ外付けにするからそうなる。

      • by Anonymous Coward

        住基カードのときみたいに革新政党が首長のところが反対して住基システムみたいなのができあがるんじゃないの?

  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 8時55分 (#4198467)

    Linuxデスクトップとまでは行かなくても、マイクロソフトOfficeではなくLibreOfficeなどにしてほしいです。

    扱う文書もOOXMLではなく国際標準規格のODFとしてほしいです。

    • by Anonymous Coward

      OOXMLを国際標準規格にしてMSがLinuxにもWindowsと同機能のOfficeを発売すればみんな幸せになれるのに
      誰だよ邪魔してる奴は

      • by Anonymous Coward

        OpenDocument「・・・・」

    • by Anonymous Coward

      LibreOfficeを強制される職員さんがぶちキレてしまうよ。

      業務システムをMS Office依存から脱却しよう、の方がまとも。
      その指針の中オプションとして部分的にLibreOfficeを利用するワークフローがあるのはまあ…という所。

      そもそもLibreOffice推してる人らはさ、あれが優れたソフトウェアだと思って言ってるの?

  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 9時31分 (#4198482)

    x86捨ててRISC-Vにしようぜ!!!!!
    回線もNTTしか実質全国にないからどうしようか

    • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 14時20分 (#4198588)

      20年ほど前。某国立大学で解析用のサーバを導入するというので、RFP書こうとした時に
      「x86アーキテクチャ」って書いてはいけないと言われた事を思い出した。
      特定のメーカーのCPUを指定してはいけないという事らしい。

      結局SPECベンチでいくら以上としか書けなかった。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 11時09分 (#4198514)

    何か役に立つものがある、それがOSSだった

    ということはあっても

    それをOSSにすると、役に立つものになる

    となるとは限らない訳で

    • by Anonymous Coward

      と、ロックインされたシステムのベンダーにぼられて血税を貢ぐ事を正当化するのね。

      • by Anonymous Coward

        と、ロックインされたシステムのベンダーにぼられて血税を貢ぐ事を正当化するのね。

        OSSでもメンテナンスできる企業が限られてりゃロックされるわけで、そんな的外れなこと言われても。

        # せめてRHELの対抗馬を出してから言え

    • by Anonymous Coward

      公共事業で作ったものはGPLv3で公開しようぜ。

      • by Anonymous Coward

        賛成!
        税金で作ったソフトウェアは、国防に関係なければ、公共物にすれば良いと思う。

    • by Anonymous Coward

      委員会のターゲットを直接捉えたものであるかは何とも言えないが、ソース公開の効果というか影響は大きい。
      官公庁で利用されているシステムのレベルが白日の下に晒されることになる。
      専門知識のない発注者は納入されたシステムが良いものかそうでないのか明確に理解できないものだが、
      ソースコードがオープンに批評される状況になれば、嫌でもそれが世間的にどの程度のものか認識する事になるだろう。
      納入した業者の技術力を以前より適切に評価できるようになるし、納入側も緊張感を持つようになるだろう、多少緊張したとて実力を超える事ができる訳もないが。

      まああまり揚げ足を取らないような事を言うと、やはりソースコードから知れる情報というものは多大にある。設計書以上の真実が含まれるのは確か。
      第一の懸念は、その脆弱な実装も丸見えにもなること。いち早く識者から警告を貰える可能性もあるが。

    • by Anonymous Coward

      今使ってるシステムのソースより、データ仕様(DTDとか)決めて出してもらったほうが良いわ。

  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 18時24分 (#4198689)

    今や官公庁の情報システムもクラウド移行し始めてるのに周回遅れだなぁ・・・と。

    仕様が完全にオープンで、そこで作成されるドキュメント類にも完全な汎用性が確保されていたところで、
    クラウドからまとめて情報取り出そうと思ったら巨額のアウトバウンド課金で死ぬから移行できない。
    今ではベンダーロックインの性質が変わってきてる。

  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 18時52分 (#4198701)

    あれらの場合、マイクロソフトからアップル&Googleに変えることだったりするからな。

  • by Anonymous Coward on 2022年02月11日 20時20分 (#4198738)

    最重要仕様:〇〇先生へ〇〇円貢ぐ
    とか

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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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