ガンマ線レーザーの実用化に一歩近づく

あるAnonymous Coward 曰く、

カリフォルニア大学リバーサイド校の物理学者Allen Mills氏は、ポジトロニウム原子で満たされた中空球状気泡が、液体ヘリウム中で安定することを示す計算を行った。この計算が完成したことにより、医療画像、宇宙船の推進、がん治療に応用可能な、ガンマ線レーザーの実用化に一歩近づくことになる。

ポジトロニウムは、非常に短命で短時間しか安定しない水素のような原子で、物質と反物質の混合物ともいえる。ガンマ線レーザービームを作成するには、ポジトロニウムはボーズ・アインシュタイン凝縮体と呼ばれる状態である必要がある。Allen Mills氏は「私の計算によれば、100万個のポジトロニウム原子を含む液体ヘリウムの気泡は、空気の6倍の数密度を持ち、物質反物質ボース・アインシュタイン凝縮体として存在する」のだという。

宇宙で2番目に豊富な元素であるヘリウムは、非常に低い温度でのみ液体として存在できる。Allen Mills氏によると、ヘリウムはポジトロニウムに対して負の親和性があるとされ、ヘリウムがポジトロニウムをはじくため、液体ヘリウムに気泡が形成されるとのこと（PHYS.ORG、Slashdot）。