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WordPress 開発者曰く「WordPress のテンプレートは GPL で配布されるべき」 37
「べき」なのか「しなければならない」なのか 部門より
ある Anonymous Coward 曰く、
「WordPress」の開発者の一人である Matt Mullenweg 氏が「WordPress を『拡張』するテーマやプラグインは GPL ライセンスの元配布されなければ GPL 違反である」と発言したことが話題になっているようだ (本家 /. 記事、ブログヘラルドの記事より) 。
WordPress は PHP によってページを動的に生成することができるブログソフトウェアであり、GPL ライセンスで配布されている。WordPress における「テンプレート」とは、WordPress と共にロードされる PHP ファイルの集合であり、WordPress の機能を使い、WordPress のコアデータにアクセスして HTML のアウトプットを生成するものである。このテンプレートにスタイルシートを組み合わせたものが「テーマ」と呼ばれる。有料のテンプレートシステムであり、27,000 人という多くの顧客を抱える「Thesis」は現在 GPL で配布されていない。Mullenweg 氏はこれはライセンス違反に当たると指摘しており、Mixergy というサイトにて「Thesis」の開発者 Chris Pearson 氏と Mullenweg 氏との直接 Skype 対談の場が設けられたためこの件が一気に話題となったようだ。
対談をざっと聞いたところ「WordPress というプラットフォームを利用することを決めた時点でそのライセンスに従わないといけないし、従うべきである」と指摘する Mullenweg 氏と「Thesis のコードは WordPress からコピーしたものではなく、99 % は自身が開発したものであり、WordPress からは独立した存在であるため GPL 違反ではない」という見解を主張する両者の平行線といったところであった。Mullenweg 氏はこの問題は WordPress に留まらずオープンソース全体にとって重要な問題であると考えていると考えているとのことで、訴訟も視野に入れていることを明らかにしており、今後の展開が注目される。
無事(?)解決した模様 (スコア:5, 参考になる)
無茶苦茶な話 (スコア:1)
>「WordPressというプラットフォームを利用することを決めた時点でそのライセンスに従わないといけないし、従うべきである」と指摘する Mullenweg氏
無茶すぎませんかね。同じオープンソース製品の Firefox で例にして考えると、Firefox 向けの Adobe Flash プラグインも「オープンソースなプラットフォーム上で利用することを決めた時点でそのライセンスに従わないといけないし、ソースを公開するべきである」と言っていることになりますし。またはプロプライエタリなOSの上でFirefoxを利用するなら「ソースは公開するな」という話。
もっともWordPress上のテンプレ集やプラグインで商売するなと言いたくなる気持ちは分かりますが、それでも他の開発者たちによる派生品にこんなカタチで強要するのはいかがなものかと思います。
# このコメントツリーでは、ACさんは価値ある発言をしてくださいw
モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
GPLは商売していいライセンス (スコア:2)
ちなみにGPLすると商売してはいけないというのはまったく別の話です。
GPLで商売している事例はRHELをはじめ、とくに不自然なものでないですし、 ストールマンもビジネスをすること(お金を取ること)と自由は別といっていますよ。
Re:GPLは商売していいライセンス (スコア:1)
え? 普通に0から作りますけど。
どうして「ほとんどのもの」が同梱テンプレートの改造であるという話になっているのか不思議です。
Re: (スコア:0)
え?「参考には」しますが、一から書いた方が早い物のほうが多いような気がしますよ。
そもそもどうしてそう考えたのかが気になります。
テンプレート (スコア:0)
Re: (スコア:0)
そんなに無茶苦茶かな?
これ見ると、Firefoxのプラグインとは本質的に違う。
あと、
ここのところは、GPLの適用範囲をちゃんと理解してない気がする。
この二点は、ある意味同じ指摘だね。
Re: (スコア:0)
人のふんどしで相撲をとっているのはどっちか考えれば分かる話。
WordPressの作者が「テンプレートもGPLにしろ」と言うのであれば従うべきですが、スクリプト言語の性格上、現在既にテンプレートを手に入れた人はもれなくソースコードも手に入っているので、修正が必要なのはライセンスの文面だけでしょうね。
Re:無茶苦茶な話 (スコア:2)
改変して再配布する権利など、調整が必要な項目はあると思います。
Re: (スコア:0)
あと権利調整まわりで言えば画像素材をプロから買って作ってる場合はかなり大変なことになるんじゃないかと。
# これでGPLが適用される主張が通った場合にさらに本体AGPLにするぞーとかなると
# 自作テーマを自家消費している人たち阿鼻叫喚になりそう
Re:無茶苦茶な話 (スコア:1, 参考になる)
GPLはプログラムのみ(今回ならphp部分)にかかるので、CSSや画像はGPLにしなくても大丈夫ですよ。
http://ja.wordpress.org/2009/07/03/themes-are-gpl-too/ [wordpress.org]
Re: (スコア:0)
画像は単独でも成立するけれど、CSS は Web アプリと機能するときに意味を持つのだから、改変した派生物として扱われても不思議じゃないと思う。
Re:無茶苦茶な話 (スコア:1, すばらしい洞察)
Thesisはどうか知りませんが、難読化されたスクリプトはソースコードではありません。
Re: (スコア:0)
「商売するな」とは誰も言ってないと思うけど...
そもそもgplであることとビジネスは何の関係もないし、ビジネスがなければOSSなんて成立しないと思うんだけど。
たまにるこういう勘違いした原理主義者が何もかもダメにするんだよね...
Re: (スコア:0)
>Firefox 向けの Adobe Flash プラグインも「オープンソースなプラットフォーム上で利用することを決めた時点でそのライセンスに従わないといけない
動的リンクにおいて、Firefoxのヘッダ(*.h)及び固有APIを使う場合、Firefoxのライセンスに従う必要があります。動的リンクにおいて、Firefoxのヘッダを使わずに、NPAPIなどの標準APIを使うだけの場合にはFirefoxのライセンスに従う必要は無いです (GPLのLinuxカーネル向けに商用ソフトウェアが作れる理由)。
>ソースを公開するべきである
例え固有のAPIを使う場合であっても、FirefoxはMPL・GPL・LGPLのトリプルライセンスなのでソースを公開する必要は無いです。
Re:無茶苦茶な話 (スコア:1, 参考になる)
Firefoxのヘッダをコピーして使用すれば従う必要はあるかもしれませんが、APIに著作権は無いので固有APIの使用は関係ありません。 また、APIからヘッダファイルをスクラッチで書けば従う必要はありません。 Cf. 動的リンクとGPL [srad.jp]
ライセンス違反と言うなら (スコア:0)
違反か否かという話に「~すべきである」みたいな「べき論」は意味をなさない。
まあ、グレイゾーンだったのを今後明確にするか/しないかを論ずるのであれば
べき論も意味があるけれど。
この話題、論点が平行線という時点でグレイゾーンという話だよ。
Re: (スコア:0)
スクリプトが直接実行されるという使用法から、新規に作成したかどうかにかかわらず、
そのテンプレートはGPLでないといけないと言うWordPress開発者側の主張らしいので、
テンプレ作成販売側のGPLへの理解不足でしょう。
GPLなプログラムにリンクされ使用されるライブラリが、GPLでなければならないのと同じかと。
Re:ライセンス違反と言うなら (スコア:1, 参考になる)
> 読み込まれたテンプレートがデータとして使用されるのではなく、
> スクリプトが直接実行されるという使用法から、新規に作成したかどうかにかかわらず、
> そのテンプレートはGPLでないといけないと言うWordPress開発者側の主張らしいので、
> テンプレ作成販売側のGPLへの理解不足でしょう。
> GPLなプログラムにリンクされ使用されるライブラリが、GPLでなければならないのと同じかと。
これに凄く違和感を感じるんだよね。今回の件。
GPLなバイナリが内包するライブラリはGPLの必要があるのは、当然判る。
今回の場合、提供側はテンプレートはデータだと主張していて、
他にも同様な実行可能なデータ(マクロ)は存在するし、問題無いとされている。
(CCSでも結構今回のような販売形態が一般的だよね)
WordPress開発者がプラットホームを提供していると考えているんなら、
その上で動くアプリやデータのライセンス制限をすることは可笑しいと思うよ。
WindowsやBSD・MacOSX上じゃGPLなアプリは動かしちゃいけない事になっちゃうw
Re:ライセンス違反と言うなら (スコア:2, 参考になる)
GPLの下で公開されていたプログラムがプラグインを使うとして、プラグインのライセンスにはどのような条件がありますか? [gnu.org]
それはプログラムがどのようにプラグインを呼び出すかに依ります。プログラムがforkやexecでプラグインを呼び出すならば、プラグインは別のプログラムであり、メインプログラムのライセンスはそれらにはなんの条件も課しません。
もしプログラムがプラグインと動的にリンクされており、お互いにファンクションコールを使ってデータ構造を共有している場合、それらは単一のプログラムを形成していると見なされますので、プラグインはメインプログラムの拡張部分として扱われなければなりません。すなわち、それらはGPLかGPLと矛盾しないフリーソフトウェアライセンスの下で公開されなければならないということです。
この理屈でいくと、テンプレートのPHPファイルはWordPress実行時に本体と動的にリンクしていると思われるので、WordPressで使用するテンプレートはGPLじゃなきゃダメだと思う。
Javaの標準ライブラリのGPLな実装であるGNU Classpath [gnu.org]なんかだと、「独立したモジュール (一般的なJavaアプリケーション)」は、GPLじゃなくてもいい [gnu.org]という特例をGPLに追加している。この特例がないとGNU Classpathでは、GPLなJavaアプリケーションしか実行できなくなる。
なので、Thesisの開発者が、スクラッチから作ったWordPressテンプレートをGPLで配布するのがどうしても嫌なら、「このWordPressテンプレートのライセンスはGPL互換ではありません。WordPressのテンプレートとして使用するとライセンス違反になります」っていう注意書きを入れるべきだったんじゃないかな。
Re: (スコア:0)
動的にリンクするプログラムがGPLでなければならない事はない派の私としては、その理屈でいく事がおかしいと主張しておきます。
Re: (スコア:0)
en> we believe they form a single program
このFAQは原文を読む方がまだ良いと思います。
ここは単に「we believe~」と述べているに過ぎません。
このFAQとは異なる見解の例として次のようなものもあります。
「ライブラリと動的にリンクされているが、ライブラリの断片を含まないプログラムは
単に『ライブラリを使うプログラム』であり、単体ではライブラリの派生物ではない」
これはLGPL 2.1の根幹を成していたものです。
ただしLGPL 2.1が採用していたからといって、これが正しいのかはわかりません。
そもそもある作品が派生物であるか否かはライセンスではなく法が決めるものなので、
それを軽々しく断言する文書は全て疑ってかかるべきだと個人的には思っています。
Re:ライセンス違反と言うなら (スコア:1)
「プラグインは本体の派生物」っていう考え方には、私も違和感を覚えます。 GPLなコードを含まないプラグインの著作者には、GPLと非互換なライセンスで公開する権利があると思います。
ただ、プログラムの著作者には「プログラムの使用条件を指定する権利」があると思うんです。 GPLは、GPL非互換なプラグインの使用をライセンス上(?)許可していないので、GPL非互換なプラグインは「存在は違法ではないが、使ってはいけないプラグイン」という奇妙な存在になってしまうのではないかと思います。
ThesisがGPLなコードを含まないなら、今回の件は本来は「WordPress開発者 vs Thesis開発者」ではなく「WordPress開発者 vs Thesis利用者」というのが正しい構図なんだと思うんですけど、Thesis利用者は即ちWordPressの利用者でもあるわけで、ここをGPL違反で直接叩くのは躊躇したんじゃないでしょうか。 (Thesis利用者は金払っちゃってるし揉めるとややこしそう、と思ったのかも)
一方、Thesisは、有料で公開されているテンプレートなので「『ThesisをGPL化しなきゃWordPressで使わせないぞ』っていえば、商売を続けたいからThesisがGPL化されて、一件落着するんじゃないか」と、WordPress開発者は考えたんじゃないでしょうか。
これに対して、Thesis側は、
といった選択肢があったなかで「ThesisのGPL化 [srad.jp]」を選んだ、って感じじゃないでしょうか。
Re: (スコア:0)
GPLではユーザーのプログラムの使用に対しては制限を課していなかったように思います。
上記により、少なくとも今回に関して言えば「プログラムの使用条件を指定する権利」が与えられなかったのではなく、プログラムの著作者は「プログラムの使用条件」を「無制限」に指定したと理解しています。
Re: (スコア:0)
ありません。
正確に言えば、合法的に入手したプログラムを単に実行する場合のような「使用」行為を
著作権でコントロールすることはできません。
複製や改変などの「利用」行為をコントロールすることができるだけです。
GPLv2に「The act of running the Program is not restricted」と書かれていますが、
これはそう指定しているわけでなく、制限できないことを確認しているのだと思います。
> Activities other than copying, distribution and modification are not
> covered by this License; they are outside its scope. The act of
> running the Program is not restricted, [...]
Re:ライセンス違反と言うなら (スコア:1)
なるほど、Mac OS Xを純正機以外で実行するためには「改変」が必要だから、著作権法違反で訴えられるのか。
ってことは、GPL非互換のプラグインはどういう扱いになるんだろう。プログラムにリンクして動作を変化させるから、プログラム本体の改変?
改変だとして、スクラッチから書いたプラグインのソースコードを配布した場合、実際の改変を行うのは、開発者? 利用者? どっちになるんだろう?
もしも利用者が改変したことになるなら、開発者は著作権法違反幇助に問われちゃったりするのか?
あるいは、GPL非互換なプラグインが配布できるなら、もしかしてGPLなソフトウェア向けの差分パッチもGPL非互換で配布できるのか?
もうどっちが正解なのかわからなくなってきた……
Re: (スコア:0)
どちらが正解かは現状誰にも判断できません。
ひたすら安全側で行動するか、弁護士でも雇ってやりたい事を目指すかしてください。
> なるほど、Mac OS Xを純正機以外で実行するためには「改変」が必要だから、著作権法違反で訴えられるのか。
「改変」が私的使用の範囲で行なわれるとして、著作権侵害とはならない可能性もあります。
> プログラムにリンクして動作を変化させるから、プログラム本体の改変?
実行時にリンクするのは単なる「使用」だと判断される可能性もあります。
Windowsのランタイムも元々のJavaのライセンスも
Re:ライセンス違反と言うなら (スコア:2, 参考になる)
WordPressのテンプレートというのは、ぶっちゃけて言うと、テンプレートとして必要なデータを「コード」で表現するという、「ただのPHPプログラム」なんですよね。
プログラムと考えれば、GPLにリンクしたプログラムとしてGPLが感染するのは当然でしょう。
でも、この手のシステムにおける「テンプレート」というのは、普通は「データの集合」であるととらえるものだと思います。
「プログラム」的なことが出来る場合でも「データ」の方が主。
そうとらえると、「データにGPLが感染する」ことはありえないですから、「テンプレートがGPLに感染する」なんて意味不明と受け取る人も多いんじゃないかと思います。
そのあたりが、この問題が賛否両論になる原因じゃないかと思います。
WordPressのテンプレートは「何でもできる」という点ではなかなか高機能なんですが、あれは「テンプレート」と呼ぶのが最大の間違いじゃないかと。
「ビジュアルプラグイン」とかなんとか、「テンプレート」ではなく「プラグイン」であると謳っていれば、こんなことにはならなかったんじゃないかな、とか。
そもそも「データの中にコードを記述する」ために「コードとデータが分離できてない」というPHPの腐った仕様が悪いんだー、とか
その仕様にべったりなWordPressのテンプレートの仕様が悪いんだー、とか
叫んでみたくもなりますが。
WordPress からは Smarty を通してページ生成するようにして、テンプレートは Smarty で記述、
とかすれば、テンプレートへのGPL感染はなくせるかな。
Re: (スコア:0)
にわかが調べてみた
もしWordPressがLGPLだったら、WordPressを利用していても流用していなければ適用外だったかもしれない。
だけどWordPressはGPL。だからWordPressを利用するコードにもGPLが適用される。
以上。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Wordpressタグやそのパラメータの名前が著作物であるのでしたら「だから」以降は成立するかもしれませんね。
もしもThesisが屈服しなかったら (スコア:0)
WordPressに、PHPファイルを読み込んで冒頭にGPLに従うとの宣言があるか調べ、ない場合は使用不可とする仕組みを搭載。
それを受けてThesis側:
WordPressとインターフェース互換で独自ライセンスのCMSを開発、それ用のテンプレートを販売。
Re:もしもThesisが屈服しなかったら (スコア:1)
いやいや、それを受けてThesis側:
WordPressに、PHPファイルを読み込んで冒頭にGPLに従うとの宣言があるか調べ、ない場合は使用不可とする仕組みを削除してGPLで公開。
アンドキュメンテッドトラップ (スコア:0)
ソースからのコピーを見つけるためにリファレンスにあえて書かない機能を標準テンプレートで利用して、とか。
GPLがいやなら、自分で全部書けよ乞食ども (スコア:0)
でFA。
他人の成果を利用してるって言われない様なものを作ってください。どうぞ。
だれも止めてませんから。