武漢大学、化石燃料を使わない航空機用ジェットエンジンのプロトタイプを発表

あるAnonymous Coward 曰く、

化石燃料を必要としない「電気のみで駆動する航空機向けジェット推進装置」のプロトタイプを武漢大学技術科学研究所の研究チームが発表したそうだ。従来型のジェットエンジンは、取り込んだ空気に含まれる酸素と化石燃料を燃焼させて熱エネルギーを生み出し、この熱エネルギーで燃焼ガスを加熱・膨張させて推力を得る。新しいエンジンでは、空気を高圧に圧縮し、マイクロ波でイオン化することによって熱エネルギーを生成して推力を生み出すという。

研究チームは、「本プロトタイプ機が生み出した推力は28N/kWで、商用航空機のジェットエンジンに匹敵します」と述べている。ただし、「このプロトタイプが生み出した気流は実際のジェットエンジンに比べて1万5000分の1の大きさであり、推力・出力も1000分の1以下」と指摘。本プロトタイプを実物大のサイズにしたときにプラズマが安定しないといった可能性などの複数の課題があるとの指摘もある。

研究チームのJau Tang氏は、「私たちの設計では化石燃料は不要で、温室効果や地球温暖化を引き起こす炭素排出はありません」とコメントしている（AIP Advances:、Science Alert、GIGAZINE、Slashdot）。