米メリーランド州、子供たちだけで自宅へ歩いて帰らせた両親がネグレクトとして取り調べを受ける
米メリーランド州モンゴメリー郡で、公園から1マイルほど離れた自宅まで6歳と10歳の子供2人だけで歩かせようとしたところ、ネグレクトとみなされて両親が取り調べを受けることになったそうだ(Reason.comの記事、 Free Range Kidsの記事、 The Washington Postの記事、 本家/.)。
この両親は過保護に反対する「Free Range」教育を支持しており、子供たちに自由と独立性を与えたいと述べている。以前から2人だけで外を歩かせる練習をさせており、公園から自宅への道は子供たちもよく知っていることもあって、昨年12月20日に2人だけで歩いて帰ることを夫が認めたという。しかし、子供が2人だけで歩いているとの通報を受けた警察が子供たちを保護し、パトカーで自宅に送り届けられることになる。
玄関で警官は夫に理由を説明せず身分証の提示を要求。当初夫は拒否していたが、警官が応援を要請して合計6台のパトカーが集まったため、身分証の提示に合意したという。身分証を取りに行く際、警官は身分証以外のものを手にしていたら発砲するとまで子供たちの前で発言したそうだ。2時間後には児童保護サービス(CPS)の担当者が訪ねてきて、週明けまで子供から目を離さないことに合意する書類への署名を求める。夫は拒否したが、警官に子供たちを連れていかせると脅されたために仕方なく署名。この日、妻は町を離れていたとのことで、夫が一人で対応したようだ。
今度はCPSの別の担当者から連絡があり、1月9日(金曜日)にCPSの事務所で面接することになる。その後、面接は自宅で行う必要があると再度連絡があり、これを拒否したところ担当者は上司と相談してからまた連絡すると言って電話を切ったという。ところが、月曜日に警官を伴った担当者が自宅にやってくる。令状がなければ家に入れることはできないとする妻に対し、担当者は権利があると主張。しかし、担当者の上着に子供の学校の訪問者ステッカーを見つけ、両親の合意なく子供に面会したのかと追及したところ、担当者は黙って立ち去ったとのこと。
旧ソ連で育ったという夫は、何でも当局の言うとおりにすればいいのではないかと思い始めているという。しかし、この国では権利があり、当局が勝手に破棄することはできないと妻は夫に言い続けているとのことだ。