あるAnonymous Coward 曰く、
朝日新聞の記事によると、ブラック企業が社会的な問題として認知されるきっかけの一つであり、代表例の一つとなった、ワタミグループの居酒屋「和民」社員過労自殺訴訟が、東京地裁で和解したそうだ。
裁判で明らかになったワタミの実態は、
店の営業は深夜に及ぶ。終電以降もタクシーは使えないため、始発まで店内で待機した。
仕事を終えて深夜帰宅した同じ日に、東京の本社で早朝研修があったこともある。研修では、同社創業者で当時代表取締役だった渡辺美樹現自民党参院議員の言葉をまとめた理念集を丸暗記する。満点をとるまでテストが繰り返された。
休日にはボランティア名目の研修。渡辺氏の著作を読んで感想を書く課題もあった。これも勤務時間外にこなさないといけない。
など、異常としか言いようのない常軌を逸したすさまじいものであったそうだ。
和解では、ワタミ社、渡辺氏、ワタミ子会社代表取締役、ワタミ人事部統括本部長(いずれも当時)が、法的責任を認めて謝罪し、約1億3千万円を連帯して支払う。賠償以外では、労働時間の正確な記録や、当時、業務時間とされなかった研修会や書類作成時間を労働時間と認め、残業代を支払う(約800人分)、書籍代や服代を給与から天引きしていたが返金する(約1千人分)、などが含まれる。
裁判で、当初、渡辺氏は法的責任を認めなかったが、和解では認めたそうだ。和解後、渡辺氏は、記者団の取材に応じた。渡辺氏は、自殺した社員の墓参りを希望しているが、遺族側は激しく拒否しているそうだ。
自殺後、悲しみの中で約7年に渡って闘い、今も苦しむ遺族の心中は察するにあまりある。遺族、裁判を担当した代理人弁護士、支援した労働組合の方々には敬意を表したい。個人的には、裁判中から立候補し当選したこのような人物がこれからも政治家の職にとどまる事にも疑問を感じるが、皆様はどう感じるだろうか。